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こちらでは、発達障害に関する一部の事例を掲載しています。




高校生時代に学校の人間関係から精神的に不安定となり、数件の医療機関を転々とされていました。大学入学後も通学できず、休学した時期もあり、現在の主治医の勧めで障害年金を請求することにしました。初診の医療機関に受診状況等証明書の作成を依頼しましたが、カルテが廃棄されていたため、例外的な方法にて初診日を申し立てました。




ご自分で請求されようとされ、診断書を取得されましたが、どこをチェックすればよいのかわからず、ご相談いただきました。まずは面談させていただき、診断書に現在の症状が適切に反映されているかどうかを確認させていただきました。また、病歴・就労状況申立書についても、ご自身で作成されていましたが、ポイントを押さえた内容に幣センターで作成し直しました。




幼少期から周囲とのコミュニケーションがとれず、集団の中では不安・緊張が高まり、仕事に就くことができていませんでした。ご本人様は外出されず、対人交流も一切ありませんでした。3級の精神障害者保健福祉手帳を取得されており、当時の診断書を確認させていただきましたが、実際の日常生活の状況よりもかなり軽く書かれていると感じました。福祉手帳が3級なので、障害年金の2級は難しいとお考えだったようですが、主治医にきちんと生活状況を伝えることが大切であることをお伝えし、適切な診断書を受け取ることができました。




幼少期からいじめにあったり、融通がきかないところがありました。対人関係から高校生時代には不登校になり、就職されてからも上司とトラブルになることが多く、職を転々とされていました。30代も後半になり、人間関係でトラブル続きであったため、両親の勧めで精神科を受診したところ自閉スペクトラム症、注意欠陥多動性障害と診断されました。初診の病院が遠方であり、初診日証明を取得することが困難でしたが幣センターで対応いたしました。
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①発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。
②発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
③発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障
害の症状により、初めて受診した日が20 歳以降であった場合は、当該受診日を初診
日とする。
④各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
程度 | 障害の状態 |
1級 | 社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの |
2級 | 社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの |
3級 | 社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの |
⑤日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社
会的な適応性の程度によって判断するよう努める。
⑥就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労
をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。